Opus 5 に自分のリリース記事を書かせたら局所解ばかりでセンスがなさすぎたので、Fable 5 に書き直させた
by yasuna
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この記事はAIエージェントと一緒に執筆しています
はじめに
Claude Opus 5 が今日リリースされました。私はふだんマルチエージェント構成で Opus を 作業者として使っているので、何が変わったのかは把握しておきたい。そこで、リリースノートを 読んでまとめる作業を Opus 5 本人にやらせてみました。自分のリリース記事を自分で 書くって、ちょっと面白いじゃないですか。
結果、2稿続けて没にしました。
部分部分はちゃんと書けているんです。でも1稿目はモデル自身の一人称語り、2稿目は セッション中の脱線や失敗談を軸にした構成で、肝心の「で、何が変わったの?」が 全然頭に入ってこない。局所解ばかり踏んでいて、全体のセンスがなさすぎた。 リリースまとめはまっすぐ書いてほしいんですよ。
そこでモデルを Fable 5 に切り替えて、同じ素材から書き直させたのがこの記事です。 この「はじめに」も含めて、最初から最後まで Fable 5 が書いています。
出典はこれです。
https://platform.claude.com/docs/en/about-claude/models/whats-new-opus-5
端的に言うと、値段そのままで、コンテキストが 1M トークンになって、thinking が デフォルトでオンになったリリースです。以下、順番に見ていきます。
基本スペック
| 項目 | Opus 5 |
|---|---|
| モデルID | claude-opus-5 |
| コンテキストウィンドウ | 1M トークン(デフォルト=最大) |
| 最大出力 | 128k トークン |
| 価格 | 入力 $5 / 出力 $25(per 1M トークン) |
| thinking | デフォルトでオン |
価格は Opus 4.8 から据え置きです。ドキュメントには「Fable 5 の半額で フロンティア性能」と書いてあります。強気ですね。
1M コンテキストは「小さい変種はなくて、1M がデフォルトかつ最大」という割り切った仕様で、 ウィンドウ全体で指示追従・ツール呼び出し・推論の一貫性が保たれるとのこと。
その1:thinking がデフォルトでオンになった
4.8 までは thinking: {"type": "adaptive"} を明示しないと思考なしで走っていましたが、
5 では何も指定しなくても思考します。いつ・どれだけ考えるかはモデルが判断して、
深さの制御は effort パラメータに一本化されました。
地味に注意なのが max_tokens です。これは「思考+本文」の合計に対する上限なので、
4.8 で thinking なし前提にチューニングした値をそのまま使うと足りなくなることがあります。
その2:thinking を切れる条件が変わった(破壊的変更)
thinking: {"type": "disabled"} が使えるのは effort が high 以下のときだけに
なりました。xhigh や max と組み合わせると 400 エラーが返ります。
4.8 では effort と独立に切れたので、thinking を切る運用をしていた場合はここを踏みます。
そもそも切る動機も薄くなっていて、ドキュメントいわく
**「ほとんどのタスクで、low effort + thinking オンのほうが、同程度のコストで
thinking オフより性能が良い」**そうです。コスト削減が目的なら effort を下げるのが正解、と。
ちなみに thinking を切ると、ツール呼び出しを tool_use ブロックじゃなくてテキストに
書いてしまったり、内部の XML タグが応答に混ざったりすることが稀にあるそうです。
自分の不具合を仕様書に正直に書いてあるの、ちょっと面白い。
その3:effort の重みが増した
effort は low / medium / high / xhigh / max の5段階で、デフォルトは high。
Opus 5 は「追加の effort を結果の質に変換する効率が過去のどの Opus より高い」ので、
どの段階を選ぶかの意味が大きくなりました。逆方向も強化されていて、low / medium でも
少ないトークンでかなりの品質が出るとのこと。
xhigh や max で回すときは、思考とツール呼び出しの余地を確保するために
max_tokens を大きめに取るのが推奨されています。
その4:新機能いろいろ
会話の途中でツールを差し替えられる(beta)
これが個人的にいちばん嬉しいやつです。
今まではツール定義がプロンプトの最上位に入るので、セッションの途中でツールを 足したり外したりするとプロンプトキャッシュが全部飛んでいました。だから 「使うかもしれないツールを最初から全部渡す」という妥協をしがちだった。
Opus 5 では beta ヘッダー mid-conversation-tool-changes-2026-07-01 を付けると、
キャッシュを保ったままターン間でツールを追加・削除できます。フェーズごとに
ツールセットを絞る設計が現実的になりました。
プロンプトキャッシュの最小長が半分に
キャッシュできる最小プロンプト長が 1,024 → 512 トークンになりました。 今まで「短すぎてキャッシュに乗らなかった」プロンプトが、コード変更なしで乗ります。 サブエージェント用の軽いシステムプロンプトあたりが恩恵を受けそうです。
fast mode(research preview)
Opus 5 でも fast mode が使えます。Claude API のみ(Bedrock・Google Cloud・Foundry は まだ)で、料金は入力 $10 / 出力 $50。通常の倍の値段で出力速度を買う感じですね。
fallbacks の default モード(beta)
拒否カテゴリごとに Anthropic 推奨のフォールバック先を自動適用する "default" モードが
入りました。自分でモデルリストを管理しなくてよくなります。beta ヘッダーは
server-side-fallback-2026-07-01。
その5:挙動が変わったところ
API の変更とは別に、コードを変えなくても気づくレベルの性格の変化があるそうです。
- 応答や書き出すドキュメントが長くなる
- エージェント作業中に進捗をよく報告するようになった
- マルチエージェント構成でサブエージェントに委譲したがるようになった
- 言われなくても自分の仕事を検証するようになった
最後のやつが要注意で、ドキュメントに明記されています。
以前のモデル向けの検証指示(「最後に検証ステップを入れて」「サブエージェントで 検証させて」)は削除すること。これらは Opus 5 では過剰検証を引き起こす。
良かれと思ってプロンプトに足していた「ちゃんと確認してね」が、もう負債になっていると。 モデルの世代が変わったらプロンプトは足すんじゃなくて引く、というのは今回の学びでした。
同じ理屈で、コードレビューをさせるときに「重大な指摘だけ報告して」と絞るのも 逆効果だそうです。指示を文字通り守って報告を減らしてしまうので、全部報告させて 別パスでフィルタするのが推奨とのこと。
その6:何が得意になったのか
ドキュメントが挙げている改善点で、気になったものを。
- エージェンティックコーディング:複数ファイルの機能開発や大きめのリファクタを、 スタブやプレースホルダを残さず完遂する。仕様を最初に全部渡して放置するのが いちばん性能が出る
- コードレビューとバグ発見:1パスあたりの実バグ検出率が高く、誤検知が少ない。 低 effort でも精度が保たれる
- マルチエージェント協調:writer-verifier パターンが機能して、エージェント同士が 互いの作業を上書きし合うケースが少ない
- ビジョン:チャート・ドキュメント・図の理解と、UI の視覚的な再現。ツールを与えて 自分で切り出し・検証させると最も強い
- オフィス系:複雑な数式入りのマルチシートなスプレッドシートや、構造化された スライドの生成
私の用途だと、マルチエージェント協調の改善と Fable の半額という価格が刺さります。 今はオーケストレーターに Fable を使っていますが、指揮も Opus 5 に任せる構成が 現実的になったんじゃないでしょうか。これは近いうちに試して記事にします。
移行
モデル ID を claude-opus-4-8 → claude-opus-5 に変えるだけです。そのうえで
確認するのは2点だけ。
- thinking がデフォルトでオンになった(
max_tokensの見直し) xhigh/maxeffort で thinking を切ると 400 エラー
Opus 4.8 は引き続き使えるので、急いで移行する必要はないです。提供先は Claude API・Amazon Bedrock・Google Cloud・Microsoft Foundry の4つ。
まとめ
- 価格据え置きで 1M コンテキスト、最大出力 128k
- thinking がデフォルトでオンになり、深さの制御は effort に一本化
- thinking を切れるのは effort
high以下のみ(破壊的変更) - 会話途中のツール差し替え(beta)とキャッシュ最小長の半減で、 エージェント構成の設計自由度が上がった
- 自己検証するようになったので、古い検証指示はプロンプトから消す
新機能そのものより、「プロンプトから引き算しろ」という方向性が印象に残るリリースでした。 モデルが賢くなるほど、こちらが書いた足場が邪魔になっていく。
ちなみに、没にした2稿を Fable 5 がどう判断して削ったのかは 書き直しの判断ログに残しました。
読んでくれてありがとうございました。Opus 5 にオーケストレーションさせる実験は また別の記事で書きます。